ご挨拶

「先生、相談にのってほしい!」目を真っ赤に腫らしたA さん(18 歳)が、私の研究室に飛び込んできた。大学の専任教員をしていた 15 年ほど前のこと。聴けば、長い間父親から虐待をうけていたが、ずっとあたりまえだと思っていたらしい。私が企画した「児童虐待と DV」の講演会をきっかけに彼女は SOS を発信してくれた。その後、豊中市や大阪市の女性シェルターの支援を受けながら彼女に伴走するが、わかったことは 18 歳・19 歳の女性が保護者から逃げるには様々な制度上の壁があるということだった。アパートも私が契約したことを覚えている。この出来事をきっかけに、私は「自立援助ホーム」という厚生労働省による事業があることを知る。ゼミ生と施設見学をした帰りに「いつかこの自立援助ホームを立ち上げる!」と約束してしまった。2012 年冬、非行と向き合う親たちの会「奈良つきあかりの会」の瀬戸さんや元家庭裁判所調査官の友廣先生(前理事長)たちと巡り合うという偶然もあり、2013年春、奈良ではじめての自立援助ホーム「あらんの家」が誕生した。
7 年が過ぎ、念願の女子ホームを開設することになった。名前は「ミモザの家」。女性の権利を象徴する花。これから出会う女性たちの権利擁護のために、女性の声に耳を傾け、ともに取り組んでいきたい、そんな願いを「ミモザの家」という名前に込めた。今では小学生の子どもを持つようになった A さんに「ようやくここまできたよ」と伝えたい。
これまでご支援いただきました多くの皆様に心よりお礼申し上げます。皆さまが物心両面で支えて下さらなければ、新型コロナが流行するこの時期での開設はおそらく不可能だったと思います。これからも運営は多難です。今後ともミモザの家を支えていただきますよう何卒よろしくお願いいたします。

令和2年4月1日

特定非営利法人青少年の自立を支える奈良の会 理事長 浜田進士

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